Cosmic Shadow 2018
~クェーサー吸収線系でみる宇宙~

日時/開催地

 お知らせ




 研究会趣旨

AGNの一種であるクェーサーは宇宙で最も明るいクラスの天体であり、非常に遠方に存在します。 その特性を活かし、我々とクェーサーの視線上にある物質を影、すなわちスペクトル上の吸収線として 捉えるための背景光源として利用されています。クェーサーのスペクトル上にみられる吸収線群を クェーサー吸収線系といい、銀河間空間、銀河周辺物質の分布、化学進化やアウトフローのような クェーサー自身に付随するガス、その他銀河の高速度雲の調査など応用範囲は多岐にわたっています。 しかしながら、クェーサー吸収線系は幅広い研究用途があり、他分野との関連性が多様にも関わらず、 異なる分野との共同研究があまり行われていないのが現状です。 また銀河の形成と進化の研究は近年大きな多波長観測による進展があった一方で、銀河を育む、 あるいは銀河の影響を受けている銀河間空間に関する研究は大きく立ち遅れています。 そのためクェーサー吸収線系を用いたこの分野のさらなる開拓が望まれます。 これまで、すばる望遠鏡を始めとする大型望遠鏡を用いた観測により、吸収線系 と銀河との関係を 調査する多くの研究が行われてきました。近年には、クェーサーのごく近傍の吸収線系に付随して 存在する巨大な星雲の発見や、ALMA望遠鏡による高赤方偏移吸収線系に付随する銀河からの分子ガスの 検出など、インパクトの大きな成果が多く発表されています。将来には、すばる望遠鏡PFSによる 大規模分光探査や、TMTのような30m級望遠鏡、SKAやngVLAといった巨大電波望遠鏡の建設が計画 されており、さらなる発展が期待されます。
 本研究会は、クェーサー吸収線系の研究の現状についてまとめ、今後の研究のガイドラインについて 議論することを目的とします。また、現在の研究分野に 関わらず、吸収線全般 (星間吸収など) に 関心のある方、とりわけ大学院生など若手研究者に向けたレビューも取り入れます。 理論・観測、あるいは波長域に関わらず、様々な分野を研究されている皆様と革新的な議論を見出し、 今後の研究のさらなる発展につながることを期待しています。
本研究会開催に関わる経費の一部は、以下の科研費による支援を受けています。
・基盤研究 (A) 16H02166 谷口義明「スーパーウインドによる銀河と銀河間物質の共進化」

 主なテーマ

 吸収線系レビュー

 招待講師

  • 赤堀 卓也 (国立天文台 水沢VLBI観測所)
  • 梅畑 豪紀 (理化学研究所)
  • 大越 克也 (東京理科大学)
  • 小倉 和幸 (文教大学)
  • 河合 誠之 (東京工業大学)
  • 竹内 努  (名古屋大学)
  • 戸谷 友則 (東京大学)
  • 堀内 貴史 (石垣島天文台)
  • 馬渡 健  (東京大学 宇宙線研究所)

 世話人

梅畑 豪紀  (理化学研究所)
大越 克也  (東京理科大学)
小倉 和幸  (文教大学, SOC chair)
柏川 伸成  (東京大学)
河野 孝太郎 (東京大学)
谷口 義明  (放送大学, LOC co-chair)
辻本 拓司  (国立天文台, LOC co-chair)
長島 雅裕  (文教大学)
堀内 貴史  (石垣島天文台, LOC chair)
松田 有一  (国立天文台)
三澤 透   (信州大学)

Thank you for coming
お問い合わせ先: ogurakz_at_koshigaya.bunkyo.ac.jp ("_at_" を "@" に変えてください)
小倉 和幸 (文教大学 教育学部 物理学研究室)