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湿度を求める

水蒸気圧$e$は、以下のスプルング (Sprung) の式を用いて求めることができる。
\begin{displaymath}
e=e_{s}(t_{w})-\frac{A}{755}P(t_{d}-t_{w})
\end{displaymath} (21)

ここで$t_{d}, t_{w}$はそれぞれ乾球、湿球の温度、$e_{s}(t_{w})$は湿球の温 度$t_{w}$に対応する飽和水蒸気圧、$P$は気圧、$A$は通常は0.50, 湿球が氷結 している場合は0.44とする。蒸気圧$e, e_{s}$及び気圧の単位はmmHgでもhPaでも良 いが、揃えておくこと。

この式の物理的意味は Appendix A に示した。

次に飽和水蒸気圧$e_{s}$を求める。飽和水蒸気圧を求める式には数種類あるが、 ここでは低温域でよく実験値と合うティテン(Tetens, 1930)の近似式を用いるこ とにする:

\begin{displaymath}
e_{s}(t)=6.11\times 10^{at/(b+t)}  \mbox{[hPa]}
\end{displaymath} (22)

ここで $a=7.5, b=237.3$である。$t=0^{\circ }$Cの時に正しい値(誤差ゼロ)とな るように作られている。$t=100^{\circ}$Cでは誤差は1%弱となるが、実際の気 象現象ではそのような高温を扱うことはほぼないので十分実用となる。

この式の物理的意味は Appendix B に示した。

以上より、相対湿度は

\begin{displaymath}
R=\frac{e}{e_{s}(t_{d})}\times 100
\end{displaymath} (23)

となる(乾球温度に対する飽和水蒸気圧を用いることに注意)。



NAGASHIMA Masahiro
平成20年5月17日

since 24 April 2003