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最初に熱力学第一法則のみを用いた方法を示す[2]。
以下、物理量は単位質量当たり、即ち質量密度で規格化した量である。単
位質量が占める体積としてと置いておく。
熱力学第一法則より、
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(36) |
である。ここでは水蒸気圧である。飽和している時()、
一定で水から水蒸気へ相を変化させると、
などとして(添字はそれぞれ水蒸気[vapor]、水[liquid]を示す)、
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(37) |
である。各相についてまとめると、
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(38) |
また、当然
一定での変化も考えられ、上と同様にし、かつ
2次の微小量を無視すると、
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(39) |
となる。ここで上の式(38)の関係を用いた。さらに第一法則
を用いると、
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(40) |
となる。
ここで、熱の変化は潜熱に相当するので、
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(41) |
となるから、これを使うと
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(42) |
となることがわかる。これをクラウジウス-クラペイロンの式と言う。
NAGASHIMA Masahiro
平成20年5月17日
since 24 April 2003