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次に、クラウジウス-クラペイロンの式を使って、平衡状態で(
)を変化させ
た曲線、すなわち平衡曲線を求める。
単位質量当たり水の占める体積
は、明らかに水蒸気の体積
に比べ
てずっと小さい(
)。従って、
と近
似でき、これより
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(51) |
となる。さらに水蒸気の状態方程式
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(52) |
を使うと、
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(53) |
となる。
潜熱
の温度依存性は無視できるので、これを積分すると、
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(54) |
(
は積分定数)となり、さらに変形して
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(55) |
を得る。
ここで
C, すなわち
Kの時の飽和水蒸気圧は 6.11 hPa
であることが実験により測定されている。従って、
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(56) |
より
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(57) |
つまり、
![\begin{displaymath}
e_{s}=6.11 {\rm hPa}\times\exp\left(-\frac{L}{R_{v}}\left[\frac{1}{T}-\frac{1}{T_{0}}\right]\right)
\end{displaymath}](img161.png) |
(58) |
となる。ここで
Kである。
図 5:
温度の関数としての飽和水蒸気圧。実験値は、
Cで 6.11
hPa, 100
C で 1013.25 hPa である。
![\includegraphics[width=0.5\hsize]{saturation.eps}](img163.png) |
NAGASHIMA Masahiro
平成20年5月17日
since 24 April 2003