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領域が collapse するとして、この領域の持つ角運動量がどうなるかを
調べよう。角運動量は、定義により
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(3.62) |
ここで質量保存
、
、
を使うと
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(3.63) |
となる。Zel'dovich 近似を用いると、
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(3.64) |
である。ここで
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(3.65) |
である。これより領域の非球対称性が重要であることがわかる。
次に、potential を のまわりに展開する。
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(3.66) |
これを式(3.40)に代入すると、
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(3.67) |
となる。
は完全反対称テンソルである。ここで potential の
微分の項を
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(3.68) |
inertial tensor を
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(3.69) |
とすると
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(3.70) |
となり、時間に依存する項を見ると、E-dS宇宙では
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(3.71) |
と時間の一次に比例して増大することになる。実際には、maximum expansion の
あたりで角運動量の獲得は止まり、あとは保存して collapse することになる。
つまり
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(3.72) |
となるところまで成長する。
inertia tensor を見ると、次元的に
であり、上の式と合
わせて、これは
に比例する。こ
れより、maximum expansion での、即ち最終的にハローが獲得する角運動量は
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(3.73) |
となる。
通常、角運動量を議論する際は、無次元の spin parameter を用いる。
これは、
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(3.74) |
で定義される。角運動量が0なら0、完全に rotation support になっていれば
となる。図4に、Catelan & Theuns による
の分布を示す。詳細は略すが、これは初期に Gauss 分布する揺らぎの
場を考え、揺らぎのピークになる点のまわりの角運動量の分布がどうなるかを計
算したものである。パラメータになっているは揺らぎの高さの尺度で、揺
らぎの偏差をの何倍かを示す(
)。が大きいほ
ど早く collapse するので、それだけ獲得する角運動量も小さいということにな
る。
いづれのにしても、
がほとんどを占めている。つまり、
ダークハローはほとんど回転していないということを示している。ただし、これ
が銀河になる際には内部のガスがエネルギーを失って収縮するため、結果的には
となる。
この分布は、いわゆる log-normal分布で良く fit される。
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(3.75) |
ここで は平均の、
は の分散である。大体
、
となる。
図 4:
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NAGASHIMA Masahiro
平成17年2月22日