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天体形成に至る非線型段階を記述するモデルとして、球対称に分布した揺らぎ
(質量、半径)に対する解がある。運動方程式は、単純に
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(3.50) |
であり、これがサイクロイド曲線
を描くことは良く知られている(ただし、宇宙項が存在すると斥力項がつく)。従っ
て、揺らぎの発展は、shell 内の平均密度が
となることから求めることができる。初期()の時、で展
開すると、
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(3.53) |
となる。いま、E-dS宇宙を考えると、平均密度は
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(3.54) |
線型揺らぎは
なので、上の球対称解は
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(3.55) |
とみなすことができる。
やがて、球殻内の自己重力により、球殻は宇宙膨張から切離されて収縮をはじめ
る。の時には最大になるが、これを maximum expansion、この
時期を turn around などと呼ぶ。この時の密度は、宇宙の平均密度に対して
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(3.56) |
であり、この時刻での線型揺らぎは
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(3.57) |
となる。つまり、ある時刻で揺らぎ
を持つ領域は、
線型揺らぎが
であることから、
より
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(3.58) |
となるの時に最大膨張を迎えることになる。
さらに が再び0になる時点を collapse と定義すると()、同様
にしてその時刻での線型揺らぎが
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(3.59) |
となることがわかる。この時、実際の密度は形式的には発散するが、物理的に考
えると速やかに virial 平衡に達するであろう。この時の半径を求めよ
う。ここで、Energy保存を考慮し、turn around 時(速度0)と、collapse後
(virial平衡) を結ぶと、
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(3.60) |
となる。つまり、collapse 後の virial 半径は、最大膨張時の半径
の半分であることがわかる。この時の平均密度に対する密度比は、
, を考慮すると、
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(3.61) |
となる。従って、collapse直後の天体の内部の平均密度は、その時刻での宇宙の
平均密度のおよそ200倍であることがわかる。
以上を用いると、揺らぎの amplitude を、現在まで線型成長を続けているとし
て normalize すると、ある点での揺らぎの大きさと、その点が collapse する
時刻との間には、
という関係のあ
ることがわかる(詳細は後述)。つまり、初期の揺らぎの分布を見れば、あ
る時刻でどれくらいの領域が collapse しているか、mapping することが可能に
なる。
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NAGASHIMA Masahiro
平成17年2月22日