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空間相関

次に、ハローはnon-zeroの領域でcollapseすることを考えてみよう。いままでは、 ハローは大きさを持っているにもかかわらず、空間上のある一点 ${\mbox{\boldmath$x$}}$での smoothing scale の異なる密度揺らぎの相関を考えてきた。しかし、実際には、 $\delta_2=\delta_c$になる点の周囲で、 $\delta_1\geq\delta_c$となる確率を、 smoothing scale の範囲内で平均したものを$P(M_1\vert M_2)$とする必要がある。

具体的には、

\begin{displaymath}
\epsilon(r)=\frac{\xi(r)}{\sigma_1\sigma_2}=\frac{4\pi}{\sig...
... \tilde{W}(kR_{1})\tilde{W}(kR_{2})P(k)\frac{\sin kr}{kr}\d k
\end{displaymath} (4.167)

と、二体相関関数を陽に考えることになる。

詳細は [10,17] に譲り、定性的傾向だけ解説する。宇宙全体では、 $\delta_2$の平均は当然0である。従って、ある点で $\delta_2=\delta_c>0$となっ ていれば、その周囲では、確率的には $\delta_2<\delta_c$となっている方が多 いであろう。つまり、先程とは逆に、 $P(M_1\vert M_2)<1/2$となっていると考えられ る。従って、大質量ハローは増え、小質量ハローは減る、ということになる。



NAGASHIMA Masahiro
2009-03-12