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式(2.3)あるいは(2.14)の右辺の項のそれぞ
れが支配的になる時期を調べる(以下
の質量密度で見る)。
エネルギー密度において、物質だけでなく輻射の寄与も考慮すると、各項の
scale factor に対する依存性は、輻射、物質、曲率、宇宙項の順に
である。従って、これらの順に、宇宙膨張への
寄与が重要になる時期が現われる。宇宙初期には曲率や宇宙項は物質密度に比べ
て微小であり、宇宙膨張の振舞いは
の Einstein-de Sitter 宇
宙とほぼ同じになる。
まず、輻射優勢期を見る。式(2.3)より、
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(2.19) |
であるから、
であり、
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(2.20) |
となる。
やがて輻射のエネルギー密度は急速に落ち、物質の方が優勢になってくる。輻射
と物質のエネルギー密度が等しくなるのがほぼの頃である(導出
は省略。現在の宇宙背景輻射の温度と、温度がに比例することと、現在の物
質密度が与えられれば求められる)。物質が優勢の時期は、同様にして
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(2.21) |
となる。
やがて、曲率項が(あれば)効きだしてくる。この時期は、
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(2.22) |
となるであるから、結局
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(2.23) |
であり、もし宇宙項が0(
)とすると、
であるから
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(2.24) |
となる。この場合、式(2.3)より
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(2.25) |
となる。
もし宇宙項が存在し、宇宙が平坦()であると、比較すべきは
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(2.26) |
となるので、宇宙項が支配的になるのは
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(2.27) |
となる。この場合は、
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(2.28) |
と inflation 的膨張を起す。
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NAGASHIMA Masahiro
2009-03-12