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Friedmann方程式の意味

ここで式(2.3)を$t$で微分し、出てきた$\ddot{a}$に式 (2.4)を代入すると、
\begin{displaymath}
\frac{d}{dt}\epsilon a^{3}+p\frac{d}{dt}a^{3}=0
\end{displaymath} (2.13)

が得られる。体積を $V=a^{3}$とし、内部エネルギーを$U=\epsilon V$とすれば、 これは即ち
\begin{displaymath}
dU+pdV=0
\end{displaymath} (2.14)

となり、断熱膨張となっていることがわかる。実際には内部の物質の反応 により宇宙のエントロピーは増えているが、宇宙膨張自体は断熱変化である。

次に、式(2.3)を変形すると、

$\displaystyle \frac{1}{2}\dot{a}^{2}+V(a)=E\equiv-\frac{Kc^{2}}{2}$     (2.15)
$\displaystyle V(a)=-\frac{GM}{a}-\frac{\Lambda c^{2}a^{2}}{6}$     (2.16)

となる(ここで $M=4\pi G\rho_0 a^{3}/3, \rho_{0}=\epsilon/c^{2}$)。これは、 位置座標を$a$とした場合の、potential $V(a)$ 中での一次元の運動として解釈 できることを示している。FIG.1に、宇宙論パラメータを変 えた場合の定性的振舞いを示す。上の図において、現在の膨張率($H_{0}$)は観 測より決まる量であるので、全てのモデルに対し fix されるが、宇宙年齢はパ ラメータによって変化することがわかる。また特徴的な振舞いとして、宇宙項が 存在する場合は過去のある時期に potential の「頂上」付近を通るため(下図) 膨張が非常に遅くなる時期があり、宇宙年齢が伸びることになる。

図 1:
\begin{figure}
\epsfxsize =7cm
\epsfbox{friedmann.eps}\end{figure}

図 2:
\begin{figure}
\epsfxsize =\hsize
\epsfbox{Hubble1.eps}\end{figure}



NAGASHIMA Masahiro 平成17年2月22日