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球対称解

天体形成に至る非線型段階を記述するモデルとして、球対称に分布した揺らぎ (質量M、半径r)に対する解がある。運動方程式は、単純に

\begin{displaymath}\ddot{r}=-\frac{GM}{r^2}
\end{displaymath} (32)

であり、これがサイクロイド曲線を描くことは良く知られている。従って、揺ら ぎの発展は、shell 内の平均密度が $\bar{\rho}(\leq r)=3M/4\pi r^3$となるこ とから求めることができる。rが再び0になる時点を collapse と定義すると、 E-dS宇宙の場合、線型成長を続けたとして $\delta_{\rm
linear}=\delta_c\equiv1.69$になった時が、実際の$\delta$が発散する時刻に 相当することがわかる。従って、power spectrum の amplitude を、現在まで線 型成長を続けているとして normalize すると、ある点での揺らぎの大きさと、 その点が collapse する時刻$z_{\rm c}$との間には、 $\delta=\delta_c(1+z_{\rm
c})$という関係のあることがわかる。



NAGASHIMA Masahiro
2000-10-23