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Friedmann equations

まづ、宇宙モデルを記述する基本方程式、Friedmann 方程式の定性的振舞いを調 べることにする。一様・等方性から導かれる Robertson-Walker metric を用い ると、
 
$\displaystyle H^{2}\equiv\left(\frac{\dot{a}}{a}\right)^{2}=\frac{8}{3}\pi G\rho_0-\frac{K}{a^{2}}+\frac{\Lambda}{3}$     (1)
$\displaystyle \frac{\ddot{a}}{{a}}=-\frac{4}{3}\pi G(\rho_0+3p)+\frac{\Lambda}{3}$     (2)

となる。ここで、aは scale factor、$\rho_0$は宇宙の平均密度、pは 圧力、Kは曲率、$\Lambda$は宇宙定数である。H以外の宇宙論パラメータは、 これらを用いて、
$\displaystyle \Omega\equiv{\rho}/{\rho_{c}}$     (3)
$\displaystyle k\equiv{K}/{H^{2}a^{2}}$     (4)
$\displaystyle \Omega_{\Lambda}\equiv{\Lambda}/{3H^{2}}$     (5)
$\displaystyle q\equiv-{\ddot{a}a}/{\dot{a}^{2}}$     (6)

と定義される。ここで$\rho_{c}$は critical density であり、 $k=\Omega_{\Lambda}=0$、即ち Einstein-de Sitter 宇宙における宇宙の平均密 度である。 ここで、式(1)を変形すると、
$\displaystyle \frac{1}{2}\dot{a}^{2}+V(a)=E\equiv-\frac{K}{2}$     (7)
$\displaystyle V(a)=-\frac{GM}{a}-\frac{\Lambda a^{2}}{6}$     (8)

となる(ここで $M=4\pi G\rho_0 a^{3}/3$)。これは、位置座標をaとした場 合の、potential V(a) 中での一次元の運動として解釈できることを示してい る。FIG.1に、宇宙論パラメータを変えた場合の定性的振舞 いを示す。上の図において、現在の膨張率(H0)は観測より決まる量である ので、全てのモデルに対し fix されるが、宇宙年齢はパラメータによって変化 することがわかる。また特徴的な振舞いとして、宇宙項が存在する場合は過去の ある時期に potential の「頂上」付近を通るため(下図) 膨張が非常に遅くなる 時期があり、宇宙年齢が伸びることになる。


  
Figure 1:
\begin{figure}\epsfxsize=7cm
\epsfbox{friedmann.eps}
\end{figure}



NAGASHIMA Masahiro
2000-10-23