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宇宙には 3K のCMB photon が充満しているが、これが銀河団内の高温の電離ガ
ス(
)と衝突すると、逆compton散乱により、エネルギーを与えられ
る。これは CMB の Rayleigh-Jeans 側の photon を減らし、Wien 側に運ぶので、
低温側ではより低温に、高温側ではより高温になったように見える。銀河団のサ
イズをlcとし、球対称であると仮定すると、CMB の温度変化から奥行きを推
定できるので、銀河団の実直径がわかることになる。従って、それを銀河団を見
込む角度と比較することによって、H0を得ることができる。
銀河団ガス(ICM)のX線表面輝度SXは、
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(11) |
で与えられる。ここで
はemissivity、
はICM
の電子密度及び温度である。一方、CMBの温度変化は
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(12) |
と書ける。ここではCMBの温度、
はThomson断面積
である。ここから密度を消去すると、
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(13) |
となり、
を観測してlcを求めること
ができる。あとは
であるから、銀河団の視
直径と赤方偏移からH0が求まる。この方法では、例えば
km s-1 Mpc-1という値が得られている[7]。
NAGASHIMA Masahiro
2000-10-23